妊娠の構造について

妊娠の構造について


子宮の仕組み

 
子宮は「胎児を守り育てること」で、伸縮性のある平滑筋という筋肉でできた袋のような臓器です。大きさは鶏の卵程で、膀胱と直腸の間に位置し、子宮と卵巣を結ぶ卵管が広がっています。

子宮は膣の方から見ると、子宮の入口となる子宮頚部、その上の袋状の構造をした子宮大部で構成されており、子宮大部の情報には、両側に卵管からの小さな孔が左右に開いています。子宮を縦に開いてみてみると、一番外側に腹膜という薄い膜があります。その内側には子宮筋という平滑筋でできた厚い層があり、それに続く形で、子宮内膜という柔らかい粘膜組織が子宮の内側を裏打ちする様にあります。


妊娠の仕組み
卵巣の仕組み
女性の身体には左右一つずつ合計二つの卵巣があります。両方に卵子のもととなる原始細胞が約100~200万個つまっています。毎月の生理の頃になると、脳から次回排卵させる原始卵胞を育てるために性腺刺激ホルモンが分泌されます。このホルモンの指令を受けて、卵巣では原始卵胞の成熟を開始します。一度に20個程度の卵胞が成長し始めますが、実際に排卵するのは一つだけです。成長の良い卵胞だけが首席卵胞と呼ばれ排卵を待つのです。それ以外の成長過程だった20個前後の卵胞は消滅します。

排卵の仕組み
排卵は卵巣から成熟した卵子が排出される現象です。卵子を成熟させ、最も妊娠しやすい時期に良好な卵子を排卵します。
首席卵胞が成熟すると、排卵が近づいてきます。排卵の頃の卵胞のサイズは約20ミリ程度で、このころになると卵巣からは、卵胞が成熟したというサインとなるエストロゲン(卵胞ホルモン)が高濃度に分泌され、卵巣に排卵していいですよ!というサインを返します。このサインによってようやく排卵をするのです。成熟した卵胞は、ゆっくりと押し出されるように卵巣の外皮を破り、卵胞自身も破裂して、そこから卵子が外に飛び出します。これが排卵です。

腹腔内に出た卵子は直ぐに卵子を取り込もうとして動いてきた卵管采に吸い取られ卵管内に入っていきます。卵管内では壁面に生えた繊毛に押されるようにして進み、やがて卵管内でもっとも広い場所である卵管膨大部へととうちゃくします。一方、排卵後の卵巣では、卵子が飛び出した後の卵胞に黄体が形成されプロゲステロンという黄体ホルモンが文尾つされます。このホルモンは排卵があったことを伝えるサインとなり、これを受けた子宮では受精卵を待ち受けるために内膜を厚くし始めます。

受精の仕組み
排卵された卵子は、卵管内を卵管膨大部まで移動します。ここで精子と出会います。卵子の周囲を多数の精子が囲みますが、卵子内部に入れるのは
一つの精子だけです。精子が侵入すると、この瞬間に受精が完了します。

排卵後、卵管膨大部に到着した卵子は、この場所で精子を待ちます。しかし、卵子の寿命は12~24時間です。この間に精子と出会い、受精に成功しなくてはなりません。一方、女性の体内に放出された精子は、一時子宮の下部である子宮口付近にたまった後に、一気に卵子をめざして泳ぎだします。
一度の射精で放出される精子の数は、約8000万~3億もあります。しかし、これだけ多くの精子が放出されても、子宮頚管、子宮(体部)、そして二手に分かれる卵管を抜けていく間にどんどんと数が減っていき、最終地点である卵管膨大部にまでたどりつける精子の数は、約1000程度といわれています。生き残った精子たちがいっせいに卵子にむらがり、頭部から酵素を放出して、卵子の外側にある透明帯を溶かし始めます。このとき、直径0.2mm程度しかない卵子のまわりにむらがった精子のなかで1つだけが透明帯を溶かし、卵子の細胞膜の中に入って卵子と受精できます。



着床の仕組み
受精した卵子は分割をはじめ、卵管内を移動し、受精後4~5カ月で子宮内に到達します。分割受精卵は子宮内膜との間の細かい血管を通じ、
栄養や酸素などの交換を始めます。これを着床と呼びます。受精後約1週間で着床します。

受精した卵子と精子は、受精卵と呼ばれます。受精すると、その瞬間に卵子の膜は硬く変化し、ほかの精子が入れないようになります。受精卵のなかでは卵子と精子の核どうしが合体していて、受精卵は2分割、4分割、8分割、16分割と細胞分裂をくり返しながら卵管膨大部から子宮へと進んでいきます。ちょうど、精子たちが来た道を戻っていくような道筋です。

そして桑実胚、胚盤胞という段階を経て胎芽と呼ばれる突起物が出た頃、厚くなった子宮内膜へとくい込み、その場所に定着します。これが着床です。厚くなった子宮内膜は、受精卵の着床後しばらくすると胎児へ酸素や栄養を送るための「胎盤」になって、胎児の育成にたいせつな役割を果たすことになります。
 

受精卵が着床して妊娠が成立すると、約10ヶ月の間さまざまな過程を経て、出産に至ります。

妊娠初期

妊娠4ヶ月までの時期を妊娠初期とよびます。

着床時には鶏の卵くらいの大きさだった子宮が、妊娠4ヶ月頃には新生児の頭くらいまで大きくなります。つわりは妊娠2ヶ月頃から始まり、妊娠中期の5ヶ月目に入る頃には治まることがほとんどです。ママの体では、出産の準備のためにホルモンバランスが変化します。このホルモンバランスが変わることで、精神的に不安定になることもあります。

個人差がありますが、お腹が大きくなるのは妊娠4ヶ月頃から。お腹の赤ちゃんは妊娠初期の過程で内臓の基礎が完成し、手足を動かすこともできるようになりますよ。

妊娠中期

妊娠5ヶ月から妊娠7ヶ月までの時期を妊娠中期とよびます。妊娠中期に入るとママの体はだんだんふっくらしてきて、お腹や胸に妊娠線が現れる人も。体調が安定してほとんどの人が胎動を感じられるようになり、ママになることを強く実感する時期でもあります。この頃、お腹の赤ちゃんの外見はほぼ生まれてくるときの姿になります。生殖器の形もはっきりしてくるので、妊婦健診の過程で性別が分かることもありますよ。

妊娠後期

妊娠8ヶ月以降を妊娠後期とよびます。この妊娠後期の過程で急激に体重が増えるというママも多くみられます。妊娠高血圧症候群などの妊娠合併症の原因になる場合もあるので、この時期には特にバランスの良い食事や適度な運動を心がける必要があります。

妊娠10ヶ月目に入る前後には、生まれる準備のために赤ちゃんの頭が骨盤に入ってきます。そのため、人によっては足の付け根などに痛みを感じることも。

37週以降、おなかの赤ちゃんの体では、生まれてくる準備が整い、いつ生まれてもおかしくない状態に。陣痛が始まり、破水があると、いよいよ出産です。

妊娠の仕組みを知ると、喜びはさらに強く

今、私たち一人ひとりが存在しているのは、精子と卵子が受精し、それによって生まれた受精卵が着床することから始まっています。妊娠するまでの過程を知ることで、おなかの中で芽生え始めた命を、一層大切に思えるはずです。

ママだけではなく、パパも妊娠の仕組みを知ることで、夫婦揃って妊娠する喜びと奇跡を分かち合えるので、おなかの赤ちゃんもきっと喜んでくれますよ。


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