妊娠中にビタミンDが不足している妊婦さんが出産した赤ちゃんは、2歳までにアトピー性皮膚炎が発症する可能性が高いという研究結果が出たそうです。 参照:Journal of allergy and clinical immunology https://www.jacionline.org/article/S0091-6749(18)31477-5/abstract こちらの研究チームは、955人の臍帯血中のビタミンD濃度を調査し、2歳になるまでアトピー性皮膚炎の経過を分析しました。 その結果、臍帯血ビタミンD濃度が10.0ng/㎖未満の場合、生後3年間でアトピー性皮膚炎の症状が出る可能性が2.77倍、診断される可能性が2.89倍、治療が必要となる可能性が1.46倍増加していたそうです。 小児アトピー性皮膚炎10人と、そうでない10人を対象にした研究では、酸化ストレスに関する遺伝子に差が見られ、更にビタミンDの不足しているアトピー性皮膚炎の場合では、この遺伝子の発現が3.15倍増加しました。 これは妊娠中のビタミンD欠乏による酸化ストレス遺伝子への関係が発見されたということで、新しいアトピー性皮膚炎予防・治療法開発に活用できると研究チームは説明しています。 酸化ストレスとは? 体内に活性酸素が増え、身体の酸化バランスがくずれた状態をいいます。 研究チームは、 ”胎児は母親の摂取するビタミンDに依存するため、生後のアトピー性皮膚炎を予防するためには、妊娠初期からビタミンDの摂取に気を使い、適切な濃度を保つようにすることが重要だ” としています。 ビタミンDを摂取しましょう! 研究チームによると、アトピー性皮膚炎の発生を予防するためには、妊娠中に適切なビタミンD濃度を維持することが望ましいとしています。 ビタミンDは日光や食事から摂取したりと、自然に体内に取り入れることはできますが、妊婦さんの場合は頻繁に外出をするのが難しい場合もあります。 また、冬は日差しが弱まる為、その分ビタミンDの濃度が減ってしまいます。 こちらの研究結果では ”妊娠中は午前10時から午後3時の間、5分から30分ほど、週に2回以上日差しを浴びるのがよい。青魚やきのこ類、たまごなどビタミンDを含んだ食べ物をバランス良く摂ることが望ましい” としています。 お外を歩くだけでなく、日の当たる場所でゆっくりと食事をするのも良さそうですね。 まだまだ可能性の段階ですが、ビタミンDは人間にとっても大切な栄養! 赤ちゃんはもちろん、ご自身のためにも気を使ってみるとよいかもしれません。